農薬の基礎知識
環境への安全性の評価
農薬を登録する上で、人畜に対する安全性以外に、水産動植物やミツバチ等に対する安全性についても検査を行っています。
(1) 水産動植物への影響
農林水産省は、農薬使用による水産動植物への被害防止の観点から、農薬の登録申請にあたって、原体及び製剤を用いた魚類、甲殻類、藻類に対する毒性試験成績を求めています。
環境省では、水産動植物にかかる登録保留基準について実質的な生態系の保全を視野に入れた取組を強化するため、魚類、甲殻類、藻類に対する原体を用いた毒性値と公共用水域における予測濃度を比較して評価する手法に改める旨の環境省告示改正が行われ、平成17年4月から施行されました。これに伴い、新しく水産動植物に係る登録保留基準値が順次設定され、農薬を使用した場合の公共用水域における予測濃度が登録保留基準値を上回らないよう使用方法が決められています。
また、製剤を用いた魚毒性試験では処理96時間における半数致死濃度(LC50)を、ミジンコ遊泳阻害試験では処理48時間の半数遊泳阻害濃度(EC50)を、藻類生長阻害試験では処理72時間後の半数生長阻害濃度(EC50)を求め、影響の程度から農薬の使用上の注意事項が決められています。
なお、有効成分の魚類等への毒性の程度を示す魚毒性分類については、原体を用いた魚毒性試験では処理48時間後の半数致死濃度(LC50)を、ミジンコ急性毒性試験では処理後24時間の半数致死濃度(LC50)を基に分類しています。
(2) 有用昆虫等への影響
有用昆虫(蚕、ミツバチ、天敵昆虫等)への影響をみるため、各有用昆虫を用いた試験が行われます。 ミツバチでは半数致死量LD50、蚕では残毒期間等が調べられ、農薬使用時における安全な取り扱い法が確立されます。
(3) 鳥類に対する影響
使用場面、剤型などを考慮のうえ、必要に応じて実施されます。ウズラやマガモ等を用いて経口毒性試験の結果、強い毒性が認められる場合には、混餌投与毒性試験も実施され、鳥類への影響を調べています。
(4) 有効成分の性状、安定性、分解性等
農薬の有効成分等の性状、安定性、分解性等農薬の安全性評価に当たって必要不可欠な基礎的科学的知見を得ることを目的として行われる試験でありますが、環境中での動態を推測するのに重要な指標としても利用されます。
トップへ - 前のページへ - 次のページへ
| Copyright(C) 2007 Food and Agricultural Materials Inspection Center .All Rights Reserved. |