このページの本文へ移動


農薬検査部について

農薬の検査技術に関する調査研究報告

平成22年度

① 農薬登録に係るOECDテストガイドライン等の国際的枠組の策定に当たり、これが我が国へ導入された場合の可否の検討

作物残留試験に係るテストガイドラインの改善・整備

  • 作物残留性の外挿に係る検討(第三報) (PDF:565KB)
     だいこんおよびかぶについて作物残留試験を同一圃場にて行い、両作物における6成分の農薬濃度を比較した。根と葉に分けて部位別に農薬濃度を比較したところ、根の農薬濃度はだいこんよりかぶの方が高い傾向が見られ、根の平均個体重量の差 (かぶの方が約6倍小さい) が主な要因と考えられた。
     一方、葉の農薬濃度は、根での結果と異なり、葉の平均個体重量の大きいだいこんの方が高い値を示した。個体当たりの重量が大きいだいこんの葉で農薬濃度が高くなった要因として、だいこんとかぶで葉の形状が異なり、だいこんの葉の方がかぶの葉に比べて、散布溶液が葉に付着しやすい形状であることが考えられた。また、だいこんとかぶでは葉の展開の仕方が異なり、水平方向へ展開する葉の面積がかぶよりだいこんの方が大きいため、散布溶液がだいこんの葉に留まりやすいことが考えられた。
     だいこんおよびかぶにおいて作物のグループ化および作物残留性の外挿を検討する際には、作物の重量だけでなく、葉の形状や展開の仕方による薬剤の留まりやすさに留意し、根と葉それぞれの残留性を考える必要性が示唆された。

作物残留試験に係るテストガイドラインの改善・整備

  • 土壌を経由した後作物への農薬残留に関する調査研究(第三報) (PDF:226KB)
     水溶解度、オクタノール-水分配係数 ( Pow 値)、および土壌吸着係数 (Koc 値) などの物理化学的性状が異なる5農薬について、ポット試験ではカブを供試作物として、圃場試験ではキュウリ、ピーマン、およびエダマメを供試作物として後作物残留性の調査を実施した。
     水溶解度が500 mg/l 以上でlog Pow 値が1以下の農薬や、水溶解度が500 mg/l 未満であっても土壌吸着性が比較的低い (Koc 値<1000) 農薬の作物中濃度は他の供試農薬の作物中濃度と比較して高い値を示した。
     水溶解度が高くlog Pow値が低い農薬や土壌吸着性が低い農薬については、有機炭素含量が低い土壌で栽培された後作物への残留性が高いことが確認された。

② 残留農薬基準の対象品目拡大等に対応した新たな検査手法の開発

農薬製剤の簡易判別手法の開発

  • FT-IRを用いた製剤分析方法の確立(第三報) (PDF:240KB)
     フロアブル剤、液剤など水分を多量に含有する農薬製剤について、赤外スペクトル波形の比較から処方検査を行う手法を検討した。その結果、フロアブル剤および水分含有率の極めて高い(>95%)製剤を除く液剤については、ATR法(全反射測定法)で測定した赤外スペクトルから水の吸収ピークを差し引いて得られた差スペクトルが処方検査に有用であることが示唆された。
     一方、水分含有率の極めて高い液剤については、製剤中に含まれる一部の成分をジクロロメタン相に転溶・濃縮した溶液を測定試料とすることで、処方検査に利用可能な赤外スペクトルを測定できると考えられた。

▲このページの先頭に戻る