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農薬検査部について

農薬の検査技術に関する調査研究報告

全体版のダウンロードはこちら(PDF:6,216KB)

1 欧米における農薬の皮膚感作性評価状況の調査

図1   我が国の農薬使用時安全性評価へのin chemico / in vitro 試験法の更なる導入の検討に資するため、OECDでの皮膚感作性試験の代替試験法の開発状況、欧米における皮膚感作性のデータ要求状況および代替試験法の採用動向を調査しました。
<得られた成果>
   2018年以降、OECD TG 442C, TG 442D及びTG 442Eが改訂され、TG 497(客観的評価手法)が新たに作成されていました。また、今回調査したEFSA及びEPAの評価書において、in chemico / in vitro 試験法を評価に使用した例は見つかりませんでしたが、海外においても代替試験法を積極的に採用していく動きがあることがわかりました。

Keywords:皮膚感作性試験、OECDテストガイドライン、in chemicoin vitroin silico、IATA,Defined Approach

本文はこちら(PDF:774KB) (担当:農薬使用時安全審査課)

2 ミツバチの田面水を介した農薬暴露に関する実態の解明
   トレーサーを用いた半野外環境下における試験方法の検討

図2   ミツバチは、蜂群を維持するために野外で水を採取しています。水田は我が国の農地の約半分を占めますが、ミツバチの田面水を介した農薬暴露に関する定量的な知見や、蜂群内における水を介した農薬の動態に関する知見は少ないのが現状です。
   このため、ミツバチの田面水を介した農薬暴露実態を解明することを目的に、蜂群内及び腸管内における水の動態を推定するための、試験方法の検討を行いました。
<得られた成果>
   本検討により、蜂群内及び腸管内の水の動態に係る知見を得るための試験方法を確立し、蜂群内及び腸管内における水の動態を推定するための定性的な知見を得ることができました。

Keywords:ミツバチ、蜜蜂、ポリネーター、リスク評価、田面水、半野外試験、トレーサー

本文はこちら(PDF:846KB) (担当:生態影響審査課)

3 農薬製剤中の抗生物質における機器分析法の検討

図3   抗生物質を有効成分とする一部の農薬製剤では、一般の農薬と異なり有効成分の定量に微生物の発育阻止円を指標とする力価検定を用いることから、国内の試験施設では一部の物理的化学的性状試験成績を農薬GLPに適合する試験において実施することが困難であり、代替となる機器分析法の開発が求められていました。
<得られた成果>
   本研究では、抗生物質のイオン性及び高い親水性を踏まえ、イオン対試薬を利用した逆相クロマトグラフィー及び親水性相互作用クロマトグラフィーによる分析法を検証したところ、従来の力価検定と整合する結果が得られました。これらの分析法は、力価検定に代替可能な機器分析法の第一選択肢となることが期待されます。

Keywords:農薬、抗生物質、力価検定、機器分析

本文はこちら(PDF:1,444KB) (担当:農薬品質審査課、農薬有効性審査課)

4 生育期に使用する粒剤と水で希釈する剤の作物残留量の比較

図4   作物の生育期に使用する粒剤の農薬登録申請には、粒剤で実施された作物残留試験の提出が必要であり、水で希釈する剤で実施された作物残留試験による代替を認めていません。
   一方、粒剤は基本的に作物体へ直接付着することがないため、理論的には粒剤の作物残留量は水で希釈する剤を茎葉散布した場合よりも低くなる可能性が考えられます。
   そのため、生育期に散布を行っている粒剤と水で希釈する剤の作物残留量の比較を行い、粒剤の作物残留試験の例数軽減や試験成績提出除外の可能性について調査しました。
<得られた成果>
   有効成分投下量が水で希釈する剤に対して同等以下の粒剤の申請において、水で希釈する剤の収穫前日数が3日以内の試験成績がある場合は、根菜類を除く作物については粒剤の試験成績を除外できる可能性が高いと考えられました。

Keywords:作物残留試験、粒剤、水で希釈する剤、収穫前日数

本文はこちら(PDF:310KB) (担当:農薬使用基準審査課)

            
【技術レポート】

5 残留農薬分析業務における分析法の検討
   分析対象農薬拡大のためのLC-MS/MS を用いたばれいしょ及びレタス中の残留農薬一斉試験法の妥当性評価

図5   農林水産省の指示に基づき、国内産農産物に係る農薬の残留状況調査を実施しており、分析対象農薬の拡大および試験法の効率化の検討を継続的に行っています。
   分析対象農薬の拡大を図るため、レタス、ばれいしょについて分析対象となっていない24農薬について、LC-MS/MS測定を用いた一斉試験法による分析が可能かどうかを検討しました。
<得られた成果>
   レタスにおいては20農薬、ばれいしょにおいては21農薬について厚生労働省の「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」に基づき妥当性を確認し、LC-MS/MS測定を用いた一斉試験法による分析が可能であることが確認されました。

Keywords:残留農薬、レタス、ばれいしょ、妥当性評価、液体クロマトグラフタンデム型質量分析計

本文はこちら(PDF:764KB) (担当:農薬実態調査課)

6 残留農薬分析業務における分析法の検討
   ヘリウムガス供給問題への対策としたLC-MS/MS による米穀中の残留農薬一斉試験法への適用拡大

図6   残留農薬分析の中には、過去に供給が不安定となったヘリウムガスを用いる方法があります。ヘリウムガスの供給問題時においても残留農薬分析を継続的に実施できる体制を維持するために、これまでGC/MSによる一斉試験法で分析していた農薬等の中から29農薬を選定し、ヘリウムガスを使用しないLC-MS/MSを用いた農産物中の残留農薬一斉試験法への適用拡大を検討しました。併せて,23種の新規農薬についても妥当性確認を実施し、対象試料としては米穀(うるち米及びもち米)を用いました。
<得られた成果>
   厚生労働省通知の「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」に基づき、妥当性評価を行いました。その結果、51農薬については、妥当性評価の性能パラメータがガイドラインに示された目標値に適合し、LC-MS/MS測定を用いた一斉試験法による分析が可能であることが確認されました。

Keywords:残留農薬、ヘリウムガス、妥当性評価、LC-MS/MS、一斉試験法

本文はこちら(PDF:893KB) (担当:農薬実態調査課)

                    

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